【七星自伝/第10話】 おたく、ケツ持ち決まってます?

やっと迎えたオープン初日。

桐島から突然の誘いがあってから

怒涛のように過ぎ去った約2ヶ月。

いろいろなトラブルもあったし、

新しい経験も積むことができて

『お店をオープンできる!』

ということだけで既に達成感がありました。

なので、このオープンの時には

『これからたくさん売り上げよう』

という期待よりも

『やっとオープンできた』

という満足度の方が高かったので、

少し気持ちに余裕を持って

お店を始めることができたのです。

初日の開店は、昼の12時からでした。

自分の力でテレクラを使って

スカウトしてきた女の子達は3人とも、

期待と緊張とで、

少し強張った顔をしていたので、

「今日はお客さん来るかねー?

 たくさん来るといいねー 頑張ってねー」

オーナー面して話していると、

“ガラガラガラ?”

お店の引き戸に一閃の光が差し込んできました。

『お!早速お客さんが来た!』

と思って、満面の笑顔を作って

「いらっしゃいませ!」

元気のいい声で挨拶をしながら

下げた頭を持ち上げて見ると、

そこにはガラの悪そうな小汚い男の子が

モノ言いたげに立ってました。

初めてのお客さんは

小汚いガラの悪そうな男の子でした。

「いらっしゃいませ。こちらがシステムになります。

 女の子を選んで指名すると、別途指名料が掛かります。」

と説明していると、

そのチンピラ君は意外にも丁寧に

「すみません。〇〇組のモノなんですけど、

 おたくはどちらの《お世話》になっていますか?」

と聞いてきたのです。

このお店は地方で開店していましたし

特にこの街は《ヤ○ザ養成学校》を

抱えているような街なので、

暴力団の《ケツ持ち》という存在が

絶対に必要だったのです。

しかし、私は前もって桐島から

阪東という名前のヤ○ザを紹介してもらって

挨拶は済ませておいていたので、

「いや一応、□□組の阪東さんにお世話になっています。」

と答えると、

「あ、そうですか。分かりました。」

と、何事も無かったかのように引き上げていきました。

それからまたお客さんを待っていると、

30分後くらいに“ガラガラガラ?”と扉が開いて

「いらっしゃいませ!」

と挨拶をして顔を上げると、

また先ほどのチンピラ君が現れたのです。

「あのー、ご用件は?」

「いや、ウチのアニキと話をしたんですけど、

 ここ、ウチのシマ(勢力範囲)なので

 ウチの組が面倒をみないと困るんですよね。」

と言って来たのです。

また少しずつ、歯車が狂いはじめる

不協和音が聞こえてきました。

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